MUKU-DATA  クラロウォルナット 2150 450~900 t45mm  胎内市 杉井建築 様

杉井さんの自邸が完成したので先日クラロウォルナットを届けてきた。
『この板をあの空間に置いたら、さてどうなるか?』
この想像する機会、実際にそこに置いて室内にどう映るか、一枚板から放たれるもの・・などは
職業柄、他の業種の人たちよりは多く経験があるかと思っている。
ところがこれがまた毎回期待と不安を裏切られる事が多い。
その室内の空気感を正確に認知する事と倉庫にある板をそこへ持ち込んだら?
を想像する能力が乏しいとも言える。
まぁ普通に座りが良いかなぁ・・と思っているとガラリと室内が変わったり
きっと良くなるはずと思って楽しみにお届けすると案外すんなり何もなかったように納まったり・・
どちらが良い悪いではなくて
思った通り、狙い通りにはいかないということ、
いい意味でいつも期待を裏切られたりする。
空間の持つ力、素材の持つ力、心のこもった手仕事
微妙にそれぞれがミックスされて、目で認識できること、
無意識に五感に働きかけてくる目に見えない事まで含め
色んなものが共鳴し合いながらその空間の雰囲気が漂いはじめる。
引っ越し間際の真新しい空間
杉の浮造りをかけた床もまだ赤身と白太がハッキリとしている。
畳もまだ青くイ草の香りで新築時特有のフレッシュさを感じる。
リビングの板の間に段差のない畳を敷き込んだ和みスペース
ここにソファとそのクラロウォルナットを置くという。
(クラロはまだ仕上げていなく後に杉井さん自身で仕上げるとの事、脚も仮のものです)
この組合せ
意外とイケるのではないでしょうか?
以前木材展示会でウォールナットの床柱を目にして
これはいただけないなぁ・・と感じたが、もしやそれも固定観念か??
(床柱に関してはそんなことはないだろう)
畳の色が変わり、ソファの皮もオイルを塗り込んで使い込む
杉の床も赤と白の境界がぼやけてきて、
薪ストーブで焚かれる煙の香りも室内に沁み込んでいく。。
そうやって10年後、20年後を想像してみる。
使い込まれたクラロウォルナットは肘の擦れた部分の艶が出て・・と。。
本当の木の家の良さ、木の家が本領を発揮し出すのは10年後、
更に20年後はもっと良く自分流家族流に染まりそこにしかない雰囲気が
出来上がっていくことかと思う。
木の家と畳、そして洋材のクラロが意外な形で
空間に合うという事を感じることができた。
今回はクラロウォルナットに関してブログに書かせていただいたが
杉井建築様自邸に関しては材の事で他にも盛り沢山参考になる事が多いので
機会をみてまた何度かに分けて書こうと思います。
また今後は希望者に対しては見学可能との事ですので
「本当の木の家」にご興味ある方は是非一度ご覧になられることをお勧めいたします。
杉井さんは公式HPをまだ持っていないようですので
私宛にご連絡いただければご紹介させていただきます。
自己宣伝しないと良いものを作っていても埋もれていくご時世
宣伝下手な真の作り手、職人はまだまだ多くいるものです。
逆に好感が持てますし応援したい気持ちにもなります。
クラロウォルナットにするか?
この杢のある樟にするか?
完成間際まで悩んでいたもので先週、最終確認の上でクラロを置くことになりました。
個人的にはどちらもイケるとは思っていましたが
仮に樟であったなら、
梁表しの木の家にありがちな室内になっていたのかもしれません。
では、他のウォールナットであったなら・・
通常の耳付きの大人しいウォールナットを置いたとしたら
これはこれで、流行りで良いもの好きな、、あぁ・・ウォールナットいいねぇ~って
かえって杉井さんの作る空間そのものがイメージ的に半減されていたのかもしれません。
あくまでも想像ですので実際は置いてみないと何とも言えませんが。。。
このクラロの杢目、形、大きさ、色合いなど
ここには合っていたのだと思います。
どちらにするか悩んでいた樟

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